「エバの娘たち」パート1 ― 聖書の女性に学ぶ人生のレッスンサンプル

レア
これまでに「愛されていない」「拒まれている」と感じたことはありますか? あなただけではありません。
レアもまた、そんな思いを抱え続けていた女性でした。聖書によると、レアには妹のラケルがいて、ラケルは美しく、姿も整っていたと描かれています。
そして、レア。
聖書に書かれているのは、彼女の「目が弱かった」という一文だけです。正確な意味はわかりませんが、褒め言葉とは思えません。物語を読み進めていくと、レアの人生にはいつも「拒まれること」や「愛されたいと願うこと」がつきまとっていたとわかります。
やがて結婚の時が訪れますが、それはレアの不安を癒やすどころか、かえって深めることになります。
父ラバンは実際に、花婿となるはずのヤコブをだましてレアと結婚させました。しかし真実が明かされると、ヤコブは激怒し、ラバンはラケルをヤコブと結婚させることに同意します。この一連の出来事に、レアの心はどれほど傷ついたことでしょうか。
しかし神は、レアの痛みを見過ごされませんでした。ラケルは不妊に悩んだ一方で、レアには六人の息子が与えられました。それでもなお、子どもが生まれるたびに彼彼女の心の痛みがにじみ出ているのです。
最初の子ルベンが生まれたとき、レアはこう言いました。
「主がわたしの悩みを顧みられたから、今は夫もわたしを愛するだろう」(創世記 29章32節)
次の子シメオンのときには、
「主はわたしが嫌われるのをお聞きになって、わたしにこの子をも賜わった」(創世記 29章33節)
三人目のレビのときは、
「わたしは彼に三人の子を産んだから、こんどこそは夫もわたしに親しむだろう」(創世記 29章34節)
……ここまで読んで、何か感じることはありますか?
四人目のユダが生まれたとき、レアの心に変化が現れます。
「わたしは今、主をほめたたえる」(創世記 29章35節)
レアはヤコブに愛されることを求め続けましたが、やがて気づいたのです。まことの強さと慰めは、ただ神のもとにあるのだと。
レアの死後、ヤコブは先祖とともに眠るマクペラの墓にレアを葬りました。ラケルは旅の途中で命を落とし、別の場所に葬られましたが、レアはアブラハムとサラ、イサクとリベカと同じ場所に埋葬されたのです。
レアのヤコブとの人生は、彼女が思い描いていたような幸せな結末ではありませんでした。しかし神は、彼女が想像できる以上の大いなることを計画しておられました。ラケルはヨセフとベニヤミンを産みましたが、レアの子ユダの子孫からは、ダビデ王、そして救い主イエス・キリストが誕生するのです。
そしてそこにいたのが、レア──人には拒まれたけれど、神に愛され、あがなわれた一人の女性の物語です。
~Vijoy
この読書プランについて

旧約聖書の女性たちの物語から、現代を生きる私たちへの生き方のヒントを学びましょう。
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