イエスが話された物語Sample

この話の主旨

イエスの話を聞いていた群衆は、管理人が逮捕されて刑務所に入れられる事を予想していました。しかしイエスはここで話の流れを思わぬ方向に持っていきます。主人は、自分の過ちに気づいて管理人の抜け目のなさを賞賛するのです。

「ところが主人は、この不正な家令の利口なやり方をほめた。この世の子らはその時代に対しては、光の子らよりも利口である。またあなたがたに言うが、不正の富を用いてでも、自分のために友だちをつくるがよい。そうすれば、富が無くなった場合、あなたがたを永遠のすまいに迎えてくれるであろう」（ルカの福音書 16章8－9節）。

管理人は、横領の罪を働いたことを主人に褒められたのではありません（これは今もその当時も犯罪です）。むしろ、先を見通す力、行動の速さ、自分ではなく他人に投資をするという行為を賞賛されたのです。この管理人は、単に自分が横領したお金を持って逃げたのではなく、他人に投資しました。

イエスは、信者たち（光りの子ら）がこの世の人々よりもお金に関して無頓着であることを認めました。33年の生涯で、ほとんど自分の資産を持たなかったイエスは、この時大切な原則を弟子たちに教えられたのです。それは「自分のために使ったものはいずれ失う」という原則です。他の人間の必要に応じてお金を使ったり、福音を宣べ伝える使命のため投資をすることは、私たちが天国で永遠の満足を得ることにつながります。