ヒーローたちSample

２．従順 アブラハム どんな人にも共通して我慢できない事があるとすれば、それは他人に命令されることでしょう。権力に反抗するのは、何も思春期の子どもに限ったことではありません。私たちの中に住む、罪という野獣は、自分の人生の神や主人になりたがっています。私たちは皆、生まれながらに創造主に反抗する心を持っています。信仰に導かれた後も、反抗したくなる衝動を毎日鎮める努力をしなければなりません。 ある時、主は、ウルという地域のカルデヤという町（現在のイラクのバスラという街から遠くない場所）に住んでいたひとりの信者を選ばれました。そして、荷物をまとめて何百キロも離れたカナンという肥沃な地に行くように指示されました。「その後、主はアブラムに仰せられた。『あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。』・・・アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた」（創世記 12章1,4節）。 アブラム（神が改名される以前のアブラハムの名前）は、神がなぜ移動を命じたのかその理由を全て知りませんでした。それでも、彼は構わず旅に出ました。アブラムは、自分の父と共に移り住み慣れ親しんだ土地を離れて、妻やしもべを連れて知らない土地で暮らすことになりました。ここで大切なのは「彼は構わず旅に出た」ということです。それは神がそのように導びかれたからです。後に神は、アブラムをイスラエルの民族の先祖にし、全ての信者の父とする祝福をお与えになりました。しかし、紀元前2091年頃の時点で、彼はそれを知りませんでした。唯一分かっていたのは神のご命令だけです。 アブラハムは、どこに向かうか分からなくても神に従ったという点と、神の示される道がいつもよい道だと信頼したという点で、私の良いお手本です。