聖書の語る正義とは?サンプル

公平と福音
公平について語りますと、そのようなことは後回しにすべきだと考える人もいます。福音を伝えることと、聖書的公平の働きには距離があるように感じているのです。たとえば、「その人が救われて天国に行けるなら、たとえ人種差別や貧困、犯罪といった社会の問題があっても、それほど大きな問題ではない」と考える人もいるかもしれません。しかし、そうした見方をしてしまうのは、福音が持つ二つの側面――救いと、信仰者としての成長(聖化)――を十分に理解していないからかもしれません。
福音の「内容」とは、聖書が教える救いの本質を表しています。つまり、イエス・キリストが私たちの罪のために死に、葬られ、三日目に復活し、証人たちの前に現れたこと――これらすべてが福音の中に含まれています。聖書は明確に、福音が救いをもたらすと語っています。イエスの十字架による完成されたみわざを、一人ひとりが信じることによって、罪は赦(ゆる)され、神との関係は回復し、永遠のいのちが与えられるのです。
福音の恵みは、それだけにとどまりません。その広がりはさらに大きく、信仰者がきよく成長していく「聖化(せいか)」も含まれています。福音は救いを指し、そのはたらきの広がりは聖化にまで及びますが、救いも聖化も福音の一部なのです。ですから私たちは、人々の永遠の行き先に目を向けるだけでなく、今この地上で直面している問題にも心を配る必要があります。人々が神と和解できるように、福音の内容を語るとともに、福音を生きる姿勢をすることで、信仰の歩みと成長を、身をもって示していくのです。イエスはその両方において、私たちに完全な模範を示してくださいました。私たちもイエスに倣って歩んでいきましょう。
イエスは、福音の内容を分かち合いながら、その広がりにも心を向けるというバランスの取れた歩みを、どのように示しておられたでしょうか?
この読書プランについて

今、公平という言葉に多くの関心が寄せられている、そしてそれは当然のことだろう。社会の繁栄にとって、公平は非常に重要だからだ。だが、公平の意味を知らないばかりに、否定する人も多い。とはいえ、個人の自由を守り、個人の責任を促すという、正しい公平の見解がある。この4日間の読書プランでは、トニー・エバンス博士が真の聖書的公平について解説します。
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