ヒーローたちサンプル

３.勇気 ナアマンの召使の女の子 私にとっての英雄の一人は子どもです。私はその子の名前すら知らないのですが、無事に天国にたどりついたことを願っています。そこで彼女に是非会ってみたいのです。 「アラムはかつて略奪に出たとき、イスラエルの地から、ひとりの若い娘を捕えて来ていた。彼女はナアマンの妻に仕えていたが、その女主人に言った。『もし、ご主人さまがサマリヤにいる預言者のところに行かれたら、きっと、あの方がご主人さまのらい病を直してくださるでしょうに』」（列王記 第二 5章2,3節）。 もし私が侵略者に捕まってしまい、家族から引き離され、異国人の奴隷として働かされたとしたら、本当に嫌になるでしょう。もっと悪い事にナアマンは憎むべきアラム軍の将軍の一人でした。アラム軍はイスラエルの北の国境にいる敵で、イスラエルの悩みの種でした。 私だったら、怒りを抱えながら毎日働くだろうと思います。それも無表情な仮面の下に、逃亡か復讐の欲求を押し込めて。しかしこの女の子はそうではなく、自分の主人に対して優しく接します。重い皮膚病にかかった主人を可哀想に思って、イスラエルの偉大な神に仕える、預言者エリシャに会いに行くように勧めたのです。 彼女の仲介のおかげで、ナアマンの病は癒されただけでなく、真の神によって権威を授けられた人物と個人的に会うことができました。それに感動した彼は、次のように叫びました。「私は今、イスラエルのほか、世界のどこにも神はおられないことを知りました」（列王記 第二 5章15節）。ナアマンにとってこの勇気ある女の子は、神のめぐみの仲介者となったのです。