ダニエル書 7
7
ダニエルが見た4頭の獣の幻
1ベルシャツァルがバビロンの王となって1年目の年、【BC553年頃】ダニエルは夢を見た。彼がベッドの上で横になっている時に見たそのビジョンを、彼はこう書き残した・・・
2🖌その夜、四方八方から風が吹き、その風が海を荒らしに荒らしている光景を私は見た。 3そのしけている海の中から、それぞれに特徴のある巨大な4頭の獣が現れた。
41頭目はライオンのようでありながら、背中にワシのような羽があった。よく見るとその羽はもぎ取られていた。地面から体が起こされると、それは人間のように2本足で立っていた。そして、その獣には人間の思考が与えられた。
5次に目の前に現れたのは、熊のような獣だった。その体は半分だけが浮き上がり、牙の間には3本のあばら骨が挟まっていた。すると、その獣に命令が下された。「立ち上がり、好きなだけ肉を食い漁れ!」という命令だった。
6その次に目の前に現れたのは、ヒョウのようでありながら背中に4つの鳥の翼を持ち、頭を4つ持つ獣だった。その獣には支配力が与えられていた。
7その後、目の前には4頭目の獣がいた。それは恐ろしく鳥肌が立つような姿をしていて、圧倒的に強かった。鉄の牙でなりふりかまわず噛み殺し、残骸を足で踏み砕いた。4匹目の獣は、3頭目までの獣とは明らかに何かが違かった。そしてこの獣には10本の角があった。
8私はその角を見ながら思いを巡らせていると、もう1本の角が生えて出て来たのだ。その小さい角には人のような目があり、偉そうに喋る口もあった。すると、その角は他の角を3本引っこ抜いてしまった。
4頭目の獣 への判決
9私がそれらを見ていると、裁判の際に王が座る王座がいくつか準備され、
判事【王として治めている年老いた賢い神を表している】がその座についた。
彼は雪のように白い服をまとい、
その髪の毛も羊毛のように真っ白だった。
彼の王座は火の炎で出来ていて、
その王座には燃えさかる炎の車輪がついていた。
10そして、判事の目の前から
火の川が流れ出ていた。
何百万人もの人々が彼に仕え、
何億人もの人々が彼の前に立っていた。
記録の書が開かれると、
ついに裁判が始まった。
11小さい角がペチャクチャと自慢話を止めないので、私はそれから目を離すことが出来なかった。そしてついには、角を持つその4頭目の獣が殺されると、その体は砕かれ、燃えさかる炎へと放り込まれた。 12他の獣たちの権威と支配力は既に取り上げられたが、しばらくの間、生き延びることを許されていた。
13夜に見たこのビジョンはここで終わらず、続いていった。そして、私は見た・・・私の目の前に立つ人間のような「その方」を。【「人の子のような存在」が文字通りの意味】彼は雲に乗ってやって来て、年老いた賢い王の前に立った。
14まるで人間の様な「その方」には、権威と栄光、そして完全なる統治力が授けられていた。全ての種族、国々、そして全ての言語を話す人々が彼に従うだろう。彼の王権は永遠に続き、奪い取られることはない。彼の王国は永遠に滅びることはないのだ。
ダニエルが見たビジョンの意味
15その夜に見ていたビジョンに私は混乱し、動揺していた。 16私はそこに立っていたある者のところへ行くと、起こっていること全ての意味を尋ねた。すると彼は説明をし始めた。 17その者は言った。「4頭の巨大な獣はこの世界に生まれる4つの王国のことを示す。 18しかし、最も偉大な神の聖なる民は、神の王国を受け取り、それを永遠に所有する」
19私は4頭目の獣が何なのか、そしてどんな意味を持つのかが知りたかった。その獣は他の3頭とは明らかに違い、噛み殺すほどの鉄の牙と青銅の爪を持ち、それは身の毛もよだつ姿だった。その獣は歯で何でも噛み殺し、その残骸を足で踏みつぶして回っていた。 20私はその獣の頭に生えている10本の角と、後から生えてきた小さい角の意味も気になって仕方なかった。その小さい角は、他に10本あるうちの3本の角を引っこ抜いてしまい、他の角たちよりも重要そうに見えた。そして変わらず、その角はいつまでも自慢話を止めなかった。 21じっと見ているとその小さい角が神の聖なる民に戦争をしかけ、彼ら聖なる民を打ち倒していった。 22その角は、判事が裁判のためにそこへ到着するまで、神の民を倒し続けていた。しかし、判事が小さい角に判決を言い渡し、聖なる民が勝訴を宣言すると、聖なる民が神の王国を受け取る時がやって来た。
23私に説明をしてくれたこの方は、これらのことについても教えてくれた。「4頭目の獣も、この世界に生まれてくる王国ではあるが、他の3頭とは違う。それは全世界を滅ぼし、全てを踏み砕く。 2410本の角はその王国から出る10人の王のことだ。その10人の王の後に、もう1人の王が生まれてくるが、彼は他の3人の王を倒してしまう。 25この特別な王は最も偉大な神に向かって暴言を吐き、神に選ばれし人々を苦しませて殺してしまう。その王は、すでに定められた数々の祭りの日や聖なる日を変えてしまおうと試みる。 神の聖なる民はこの王の支配下に3年半も置かれるのだ。
26しかし、天の法廷が判決を下す。すると、この王の力は取り上げられ、その王国は永遠に滅び去る。 27そして、地上の権威、王権、全ての王国が偉大なる神の民に与えられる。彼らの王国は永遠に立ち、他の支配者が全て彼らに服従するのだ」
28これが夢の終わりだ。私はとても動揺し、恐れ、顔は青ざめていた。そして、私が目にしたこと、聞いたことは何一つとして誰にも話さなかった。
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ダニエル書 7: ERV訳
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