主の祈りサンプル

The Lord's Prayer

8日中 3日

賛美

御名(みな)があがめられますように

主の祈りのほとんどのフレーズはとてもシンプルですが、深く考えなければならない言葉は「御名(みな)」です。リビングバイブルには「あなたのきよい御名があがめられますように。」とあり、それは考えるにあたってヒントになります。聖書では、誰かの名前について話すということは、その人自身の存在や代表するものすべてを指すことになる、ということも知っておくと役に立つかもしれません。実際、日本語でも「名を汚す」とか「素晴らしい業績によって名声を得た」など名前にまつわる表現があり、これとそれほど違いはありません。

神の名をあがめること、あるいは御名(みな)が「きよい」ということは、最も単純に言えば、何よりもまず、神と神にまつわるすべてのことを高く掲げ、あがめ、讃えることです。それによって神は他のすべてのものにまさって高潔な存在であり、高く掲げられるべきであるということを認識します。このようにする必要があるのは、この世にはある種の「霊的な重力」があって、神を含むすべてのものを下に引きずり降ろし、堕落させる傾向があるからです。この神を引きずり下ろす行為は、クリスチャンでもしてしまうことがあります。たとえば、ある人は、自分は「神の働きをしている」のだから、自分に対するいかなる批判も神を攻撃することになる、と不遜な発言をするかもしれません。国旗をわざと踏みつける行為は、多くの人が拒否すると思いますが、それと同じように神の名を汚す行為や、またその可能性のある言動には細心の注意を払う必要があります。怪しげな事業に神の名を結びつけることで神の名をおとしめる人々によって、キリスト教は多くのダメージを受けてきました。 

主の祈りは、主ご自身に焦点を当てることから始まっていることを思い出してください。十戒では、最初の4つの戒めは神との関係に関するものであり、残りの6つの戒めは人間との関係に関するものです。主の祈りにも同様のパターンがあり、私たちが覚えておくべきことを示しています。それは自分自身ではなく、神に焦点を当てるのが真の祈りであるということです。

敬意をもって神をたたえることから祈りを始めるのはとても良い方法です。それには次にあげるような理由があります。

  • 1つ目は、この世界の本質を神への賛美によって思い出すからです。世の中には多大な影響力を持つと吹聴する権威者や個人がいますが、私たちが日々どのような困難に直面しても、最終的に責任を負ってくださるのは神だけであることを思い出します。
  • 2つ目は、神がどのようなお方であるかを思い出すことによって、ひいては自分の立場を理解するからです。たとえキリストを通して神を完璧な親として知ることができたとしても、決してそれは祈りの場で神の前に対等に座ることではありません。賛美は単に神を高めることだけではありません。謙虚になることによって、自分が正しい立場に立ち返るのです。
  • 3つ目は、正しい焦点を持つことができるからです。祈るとき、最初に天の父を賛美することで神に焦点を当てることができます。それはコンパスを使うことによって、地図を方角に合わせて正しく見られるような感じです。自分の性格や関心事は非常に力強く、祈りの焦点がすぐに自分自身のことになってしまいます。そのために祈りの内容が単なる買い物リストのようになりがちです。祈りを賛美に固くつなぎ留めておかなければ、神を単に自分の必要に答えてくださる方にすぎないとみなしてしまう危険が常にあります。その危険性に陥ると、神はすばらしい超自然的な力を持つ医者となり、経済的に潤してくれる「天国の銀行」や果てしなくショッピングを楽しめる「天のショッピングモール」になり、さらには単に私たちの病気を癒やし、富を豊かにし、すべての欲求を満たすことが目的だけの方だという偶像を造り上げてしまいます。
  • 4つ目は、神がどんなお方であるかを思い出すからです。多くのクリスチャンは旧約聖書を軽視していますが、これは残念なことです。というのも旧約聖書には、神が本当はどんなお方であるか、新約聖書の考えの基礎が書かれているからです。旧約聖書では、神は羊飼い、王、裁く方、あがない主、聖なる方などとして見られます。聖書に基づいた賛美は、神がどのようなお方であるかについて、より豊かで深い考えを与えてくれます。
  • 5つ目は、賛美は神を高め、あがめるべき方にするからです。日曜学校で昔から教えている言葉は賢明で良いものです。「小さな神には、大きな問題。大きな神には、小さな問題。」敬意をもって神をたたえることは神を高めるのです!

この読書プランについて

The Lord's Prayer

「主の祈り」について、J・ジョン(J. John)氏によるこの8日間の読書プランで一緒に学びましょう。このイエスの教えは非常に意義深く、どのように祈るべきかわかりやすく説かれています。

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このプランを提供してくださったJ・ジョン(J.JOHN)氏に感謝します。詳細については、https://canonjjohn.comをご覧ください。