エゼキエル書 20

神ヤハウェに背を向けたイスラエル

1エホヤキン王が捕囚ほしゅうとされてから7年と5か月、そして10日が経った頃【BC591年の夏のこと】に、イスラエルの指導者の何人かが神ヤハウェの思いを探るために私の前に座った。

2すると、神ヤハウェのことばが私に与えられた・・・

3「人の子エゼキエルよ。これが王である神ヤハウェのことばとして、イスラエルの指導者たちに伝えてくれ・・・『わたしの思いを探りに来たのか？わたしは生きていて力ある神だ。わたしが約束したことは必ず実行される・・・お前たちにわたしの思いを分からせはしない』

4判決を下せ！判決を！人の子エゼキエルよ。お前が彼らに彼らの先祖が犯した吐き気のするような行為の数々を伝え、分からせてやってくれ！ 5そして、王である神ヤハウェのことばとしてこう伝えるんだ・・・『わたしはイスラエルを選んだ日に、ヤコブの家系に約束を誓った。わたしはエジプトにいた彼らに自分自身を示し、”わたしがお前の神である神ヤハウェだ”と言って誓った。 6その日、わたしが彼らをエジプトから連れ出し、素晴らしいもので溢れる地【原語では「乳とハチミツが流れる地」というユダヤ特有の比喩が使われている。15節も同様】に導くと誓ったのだ。それはどんな地よりも輝く、わたしが彼らのために見つけ出した地だった。 7わたしはイスラエルの民ひとびとに、その忌いまわしい偶像アイドルを捨てよと言った。エジプトから来たそれらの偶像アイドルで自らを汚してはならないと言ったのだ。わたしはあなたの神である神ヤハウェだ』

8しかし、彼らはわたしに反抗し、わたしの言うことを否定した。彼らの誰もがその気色の悪い吐気をもよおすような偶像アイドルを捨て去らず、エジプトから持って来た自らを汚す偶像アイドルから離れようとしなかった。だからわたしはエジプトの地で、彼らにわたしの怒りを注ぎ尽くそうかと思った。 9しかし、わたしはわたしの名前のために破壊を踏みとどまった。わたしは彼らが住んでいた国々の目の前で、彼らをそこから連れ出すと約束した。その国々の国民の前で、わたしが今まで築き上げてきたわたしの評判に傷を付けたくなかったのだ。 10だからわたしは彼らをエジプトの地から、荒野へと連れ出した。 11そこでわたしは、彼らが歩むべきわたしの道と、彼らが守るべきルールの全てを与えた。それに従うことで彼らが生きられるようにと。 12さらにわたしは、わたしと彼らとの間の印サインとして特別な休日サバスについても彼らに教えた。その日に休むことで、わたしが神ヤハウェであり、またわたしが彼らのことを特別な者としたことを思い出させるのだ。

13しかし、イスラエルの民ひとびとは荒野でわたしに反抗し、わたしの道を歩まず、わたしからのルールを拒絶した。それは彼らが生きられるために与えられたルールだった。そして、彼らはわたしからもらった休むべき特別な日も自分の仕事に当てると、その日を軽視し、ゴミ扱いした。だからわたしは荒野で、彼らにわたしの怒りを注ぎ破壊しようと思った。 14しかし、わたしはわたしの名前のために踏みとどまった。わたしは国々の目の前で、彼らをエジプトから連れ出した。その国々の前で、わたしの名前に傷がつくことを避けたかったのだ。 15代わりにわたしは荒野で彼らに誓いを立てた。それは他のどの地よりも輝く、わたしが彼らに与えた『素晴らしいもので溢れる地』に彼らを導き入れないという悲しい誓いだった。 16それは彼らがわたしからのルールを拒絶し、わたしの道を歩まず、わたしからもらった『休むべき特別な日』を軽く扱ったからだ。そして、彼らがそうなった原因は自分自身の偶像アイドルに心を奪われてしまったからだ。 17それでもなお、わたしは彼らに同情し、彼らを荒野で完全に滅ぼし切ることはしなかった。

18その後、わたしは彼らの子供たちに荒野で命じた・・・『お前たちの親が歩んだ道を進むな！彼らの作ったルールを守るな。そして、決して彼らの偶像アイドルどもで自分たちを汚すな。 19わたしが神ヤハウェであり、わたしがお前たちの神だ。わたしの道を歩み、わたしからのことばを心から守り行うんだ。 20そして、わたしからもらった”休むべき特別な日”、すなわち休日サバスを、重要な日として扱いなさい。それはわたしとお前たちとの間の印サインなのだから。その印サインは神ヤハウェであるわたしがお前たちの神であることを知らせるためにある』

21しかし、その子供たちもまたわたしに反抗し、わたしの道を歩まず、わたしからのルールを拒絶した。それらは彼らが生きられるために与えられたルールだった。そして、彼らはわたしからもらった『休むべき特別な日』も自分の仕事に当てると、その日を軽視し、ゴミ扱いした。だからわたしは、荒野で彼らにわたしの怒りを注ぎ、彼らを滅ぼそうとした。 22しかし、わたしはわたしの名前のために踏みとどまった。エジプトから彼らを連れ出したわたしの姿を目の当たりにした国々の前で、わたしの名前に傷がつくことを避けたかったのだ。 23代わりに、荒野でわたしは彼らに誓いを立てた。それはわたしが彼らを国々の間に散らし、バラバラにするという悲しい誓いだった。

24それは彼らがわたしからのルールを守らず、従わず、わたしの道を踏みにじり、わたしからもらった『休むべき特別な日』をゴミ扱いし、彼らの親の代が夢中になった汚れた偶像アイドルどもに心を奪われたからだ。 25こうして、わたしは『良くない道』と『命へと続かないルール』を彼らに渡した。 26そして、わたしは彼らの動物や人間の長男を捧げる捧げ物を通して彼らを汚した。彼らは自分たちの最初の子供、また最初に産まれた動物たちを特別な生贄いけにえとし捧げたのだ。わたしこそが彼らの神ヤハウェであると知らしめるために、これらを通してわたしは彼らを困惑させ、ショックを与えたのだ。

27だから人の子エゼキエルよ。全てのイスラエル人に語りかけ、王である神ヤハウェのことばとしてこう伝えてくれ・・・『お前たちの先祖は、わたしを侮辱ぶじょくし、わたしに対して不忠実な行動を取った。 28それでもわたしは彼らに与えると誓った地に彼らを導いた。彼らは小高い丘の数々と、青々と茂る木々を見た。そこで彼らはいくつもの礼拝所に行くと、そこで生贄いけにえを捧げ、わたしを怒らせた。彼らは甘いにおいの煙を立ち昇らせ、飲み物の捧げ物を注いだ。 29わたしはイスラエルの人々に問い正した。“お前たちが通っている礼拝所、あれは何だ？”（これらの礼拝所は今日まで残っている）』

30だから王である神ヤハウェのことばとして、全てのイスラエル人にこう伝えてくれ・・・『お前たちも先祖のやり方にならって自分たちを汚し、彼らを虜とりこにした吐き気をもよおす様なことを追いかけては、忠実さを捨て、浮気者になって行くのか？ 31お前たちは今でも、先祖にならって同じように偶像アイドルどもに贈り物をし、自分の子供たちを焼いて生贄いけにえとしている。そうやってお前たちは自分自身の偶像アイドルによって、今日に至るまで自分を汚し続けている。アドバイスを求めているからといって、そんなお前たちにわたしの思いを伝えるとでも思っているのか？わたしが王である神ヤハウェだ。わたしは生きていて、力ある神だ。わたしが約束したことは必ず実行される・・・わたしは自分のいのちに誓って、お前たちの質問には答えないし、助言もしない！ 32お前たちは繰り返しこう言う・・・他の国々のようになりたい！他の民族のようになりたい！木と石で出来た神々に仕え、礼拝を捧げたい！・・・と。しかし、お前たちの願いが叶うことはない。

33わたしは生きていて、力ある神だ。わたしが約束したことは必ず実行される・・・わたしの伸ばされた腕と、強力な拳こぶし、そして降り注がれる怒りによって、お前たちの上に君臨する王となる。 34その伸ばされた腕と強力な拳こぶしと降り注がれる怒りによって、わたしはバラバラに散らされた国々からお前たちをかき集める。 35そして、わたしは以前と同じように、お前たちを他の国々が暮らす荒野へと導く。そこでわたしは、お前たちと顔を合わせて裁判を始める。 36お前たちの先祖をエジプトの近くの荒野で裁いた時と同じように、お前たちにも裁きを下す』

これが王である神ヤハウェのことばだ・・・

37『わたしは羊飼いが羊を数え仕分けるように、イスラエルの人々を慎重に調べ上げていく。契約における条件をしっかりとお前たちに満たしてもらう。 38そこで、わたしは反抗者とわたしの道からそれて行った者たちを、お前たちの間から取り除く。こうして、彼らは住んでいるところから追い出され、2度とイスラエルの地に足を踏み入れることはできない。そしてその時、お前たちはわたしが神ヤハウェであることを知るだろう』

39『さあ！全てのイスラエル人よ。これが王である神ヤハウェのことばだ・・・もし、誰でもわたしに従いたくないのであれば、その人は自分の偶像アイドルにひざまずいていればいい。後のちに、お前たちは必ずわたしに従うようになるだろう。お前たちの偶像アイドルへの捧げ物と共に、わたしの特別な名前を汚してほしくないからだ』

40これが王である神ヤハウェのことばだ・・・

『いつか、全てのイスラエル人がイスラエルの地に集まり、そこにそびえ立つわたしの聖なる山の上でわたしを礼拝する。そこでわたしはお前たちを受け入れる。そして、わたしはそこで、お前たちの贈り物の中でも最も貴重な、わたしのために取り分けておいた捧げ物を捧げることをお前たちに要求する。 41こうして、お前たちが散らされた世界中の国々の間から、わたしがお前たちを集める時、わたしはそのお前たちをかぐわしい香りとして受け入れる。そして、わたしはお前たちを通してわたしが聖ホーリーなる神であることを国々に明らかにする。 42わたしがお前たちの先祖に与えると誓ったイスラエルの地に、お前たちを導き入れるその時に、お前たちはわたしが神ヤハウェであることを知るだろう。 43そこでお前たちは、自分たちが犯した自らを汚す行為の数々を思い出す。そして、自分が嫌で嫌でしょうがなく恥じるだろう。 44全てのイスラエルよ。お前たちはたくさんの悪を行った。その有様は、破壊されてもおかしくない程だった。しかし、わたしがお前たちの曲がった生き方と腐った行為に応じてではなく、わたしの名誉ある名前を基準にお前たちに判決を与える時、お前たちはわたしが神ヤハウェであることを知るだろう』」

これが王である神ヤハウェのことばだ・・・

南方の地への警告

45そして、神ヤハウェのことばが私に与えられた・・・

46「人の子エゼキエルよ。南の方角に顔を向け、南方の地に向かってわたしからの警告を伝えよ！その地の木々や茂みに何が起こるのかを伝えるんだ。 47南方の地の森に、神ヤハウェからのこのメッセージを聞かせなさい！これが王である神ヤハウェのことばだ・・・『見なさい。お前の森に火をつける準備は整った。その火は青々と茂る木、枯れた木、その全てを破壊するだろう。その燃え盛る炎は誰にも消し止められず、南から北に至るまで全ての地を丸ハゲに焼き尽くす。 48全ての人は、神ヤハウェであるわたしがその火をつけたと分かるだろう。誰にも消すことが出来ないのだから』」

49そこで私は言った・・・

「私の王である神ヤハウェよ！私にそんなことをさせないでください！人々はすでに私のことを『あいつは作り話の童話を語っているだけだ』と噂うわさしているのですから！」

選択箇所:

エゼキエル書 20: ERV訳

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