ダニエル書 1
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バビロン捕囚
1エホヤキムがユダの王になって3年目【BC605年頃のこと】、バビロンの王ネブカデネザルが軍を率いてエルサレムを包囲した。 2全ての権威を握る神が、エホヤキムに勝る権威をネブカデネザルに与えたことで、エルサレムは陥落した。ネブカデネザルは礼拝に使われていた神聖なコップなど、神殿にある品々を持ち出し、バビロンに持ち帰った。そして彼は、自らの神々の神殿にある倉庫にそれらを保管した。
3そして、ネブカデネザル王は王の側近たちを束ねていたアシュペナズにこう命じた。
「イスラエルから捕虜として捕まえたヤツら(ユダヤ人)の中から、ユダ王家や貴族の血を継ぐ若い男たちを何人か選び、特別な教育を与えろ。 4俺の宮殿で仕える、若くて有能な者が欲しい。健康的で何の問題もない者だ。見た目も良く、呑み込みの早い頭のキレる奴らが良い。その者たちにはバビロニア語の読み書きもアシュペナズ、お前から学んでほしい!」
5ネブカデネザル王は、その候補生たちに毎日自分と同じメニューの食事を食べさせ、上等なワインを飲ませた。彼らのために用意された特別な教育期間は3年に及び、その期間を終えると、バビロンの王の相談役としての仕事を始めることになっていた。 6この候補生の中には、ユダ部族の末裔であるダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤの4人がいた。 7アシュペナズは彼らにバビロニア語の名前を付けた。(ダニエル→ベルテシャツァル、ハナヌヤ→シャデラク、ミシャエル→メシャク、アザルヤ→アベデ・ネゴ)
8そんな環境であっても、ダニエルは自らが汚れないために王専用の食事とワインをいっさい口にしないと心に決めていた。そのため、彼はその意思をアシュペナズに伝え、それらを食べなくても良いといった許可を彼に求めた。
9側近たちの上の立場であったアシュペナズだが、神がダニエルに暖かく接するようにと彼に仕向けていた。 10しかし、アシュペナズはダニエルにこう言った。
「私は私の上に立つ者に恐れを抱いている。なぜなら・・・その方は王だからだ。王は、この食事と飲み物でお前たちを養うようにと私に命じた。もし、これを口にしないと言うのなら、お前とお前の友人は他のやつらと比べて明らかに痩せ細り、見るからに不健康になってしまうだろう。もし、貧弱で病弱なお前の姿を王が見てしまえば、俺の立場がない。俺の首が飛ばされるだろう。お前のせいでな!」
11そこでダニエルは、仲間4人の監督を任されていたアシュペナズの下で仕える世話係にこう言った。
12「どうか10日間、私たちに野菜と水だけを与えてください! 13そして10日後、王様専用の食事を食べている者と私たちの、どちらがより健康に見えるのか比較していただきいたい!それらを確認後、あなたに仕える私たちへの扱いをどうするべきか判断なさってください!」
14この提案を世話係は受け入れると、ダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤは10日間のチャレンジを始めた。 1510日後に彼らの身体を見ると、王の食事を食べていた候補生よりも明らかに健康的で筋肉が盛り上がっていた。 16世話係はその後も、王専用の食事とワインを与える代わりに野菜と水だけの食事を彼らに与え続けた。
17神はこの4人の若者に、あらゆる種類の文学やその他の学問を理解する特別な能力を与えた。そしてダニエルには、夢やビジョンを理解する才能も与えたのだ。
18王が命じた3年間の特別教育期間を終えると、アシュペナズは全ての有能な候補生たちをネブカデネザル王のもとに連れて行った。 19王は1人1人の候補生と面接をしたが、ダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤ以上に好印象を与えた者たちはいなかった。そしてこの4人には、宮殿の重要な役割を与えられた。 20王が彼らに相談を求めると、彼らはいつも天才的な知恵と洞察力を披露した。そして王は気づいたのだ・・・(彼らの才能は、この国にいる最高峰の占い師や呪術師よりも10倍は勝っていると・・・)
21そしてダニエルは、クロス王の在位1年目【BC539年~538年頃】まで宮殿の大切な役割を全うした。
ERV 訳 ー 読みやすい聖書 ー
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