マルコの福音書 12:18, 19, 20-22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43-44
マルコの福音書 12:18 JCB
次に、復活などありえないと主張していたサドカイ派(神殿を支配していた祭司階級。ユダヤ教の主流派)の人たちがやって来ました。
マルコの福音書 12:19 JCB
「先生。モーセの律法によると、ある男が結婚して子どもがないまま死んだ場合、弟が兄の未亡人と結婚して、生まれた子どもに兄のあとを継がせることになっています。
マルコの福音書 12:20-22 JCB
ところで、ここに七人兄弟がいたとしましょう。長男は結婚しましたが、子どもがないまま死に、残された未亡人は次男の妻になりました。ところが次男も子どもができずに死んだので、その妻は三男のものになりました。三男も四男も同じことで、ついにこの女は、七人兄弟全部の妻になりましたが、結局、子どもはできずじまいでした。最後に、この未亡人も死にました。
マルコの福音書 12:23 JCB
そこでお尋ねしたいのですが、復活の時、この女はいったいだれの妻になるのでしょう。七人とも彼女を妻にしたのですが。」
マルコの福音書 12:24 JCB
イエスはお答えになりました。「聖書も神の力もわかっていないようですね。全く思い違いをしています。
マルコの福音書 12:26 JCB
それに、復活のあるなしについては、聖書の、モーセと燃える柴の箇所を読んだことがないのですか。神はモーセに、『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』と言われました。
マルコの福音書 12:27 JCB
実際には、これらの人たちは数百年も前に死んでいたのに、神はモーセに、彼らはなお生きていると教えられたのです。そうでなければ、すでに存在していない人の『神である』などと、おっしゃるはずがありません。あなたがたは、この点で決定的にまちがっています。」
マルコの福音書 12:28 JCB
イエスのそばで、この見事な返答ぶりを聞いていた一人のユダヤ教の教師が、「先生。すべての戒めの中で、どれが一番重要な戒めでしょうか」と尋ねました。
マルコの福音書 12:30 JCB
心を尽くし、たましいを尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの主を愛しなさい。』これが最も重要な戒めです。
マルコの福音書 12:31 JCB
第二は、『自分を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい』という戒めです。これ以上に重要な戒めはありません。」
マルコの福音書 12:32 JCB
「先生。あなたは今、神様はおひとりで、ほかに神はいないとおっしゃいましたが、まさにそのとおりです。
マルコの福音書 12:33 JCB
そして、神殿の祭壇にどんな供え物をささげるよりも、『心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして主を愛し、また隣人を自分と同じように愛する』ことのほうが、ずっと大切です。」
マルコの福音書 12:34 JCB
この賢明な答えに感心したイエスは、「あなたは神の国から遠くない」と言われました。そのあとはもう、だれも、あえてイエスに質問しようとはしませんでした。
マルコの福音書 12:35 JCB
その後、神殿の境内で教えておられた時、イエスはこうお尋ねになりました。「ユダヤ教の教師たちは、どうしてキリストがダビデ王の子だと言いはるのですか。
マルコの福音書 12:36 JCB
ダビデ自身が、といっても、ほんとうは聖霊がダビデを通して語られたのですが、こう言っているではありませんか。 『神が私の主に言われた。 「わたしがあなたの敵を あなたの足台とするまで、 わたしの右に座っていなさい。」』
マルコの福音書 12:37 JCB
ダビデがキリストを主と呼んでいるのなら、どうしてキリストがダビデの子でありうるでしょうか。」こういう議論に群衆は好奇心を募らせ、イエスの話に聞き入っていました。
マルコの福音書 12:38 JCB
イエスは、ほかにも次のような話をなさいました。「ユダヤ教の教師たちを警戒しなさい。彼らは見るからに学者らしいぜいたくなガウンをはおったり、広場で人からあいさつされたりするのが、何よりうれしいのです。
マルコの福音書 12:40 JCB
裏では、恥知らずにも、未亡人の家を食いものにしながら、人前では長々と祈り、これ見よがしに神を敬うふりをしています。こういう人たちは、人一倍きびしい罰を受けるのです。」
マルコの福音書 12:41 JCB
それから、神殿の献金箱のそばに座り、人々がお金を投げ入れる様子をじっと見ておられました。多くの金持ちが気前よく大金をささげているところへ、
マルコの福音書 12:43-44 JCB
それをごらんになったイエスは、弟子たちを呼び寄せて、こう言われました。「あの貧しい未亡人は、どの金持ちよりも、はるかに多く投げ入れたのです。金持ちはあり余る中からほんの少しばかりささげたのに、この女は、乏しい中から持っている全部をささげたのですから。」